ウーバーとアマゾン 2019 5 12
アメリカでは、配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズが、
株式を上場して、時価総額が8兆円に達したというニュースがありました。
日本人にとっては、「配車サービス」という業態はわかりにくいと思いますので、
下記の「イコライザー2」という文章を参照してください。
簡単に言ってしまえば、
タクシー会社をスマホのアプリにしたようなものです。
私は、ジャパンネット銀行を使っていますが、
つくづく思うのは、銀行がスマホのアプリそのものになってしまったということです。
産業のIT化が進めば、銀行どころか、
タクシー会社だってスマホのアプリになってしまうでしょう。
さて、アメリカでは、ウーバーがアマゾンとよく比較されるそうです。
アマゾンは、今では、AWS(Amazon Web Services)が稼ぎ頭となっていて、
クラウド・コンピューティングサービスの最大手となっています。
最初は、アマゾンは、インターネットの本屋として出発しました。
しかし、創業者のジェフ・ベゾス氏は、聞くところによると、
他にやりたいことがあったが、とりあえず本屋からスタートしたというのです。
本ならば、食品と違って、賞味期限がなく、長期保存ができるからでしょう。
アマゾンは、インターネットの本屋からスタートして、
インターネットのスーパーに拡大して、
今や、クラウド・コンピューティングサービスの最大手となっています。
さらに、豊富な資金を使って、宇宙産業にも進出しています。
ジェフ・ベゾス氏の夢は、宇宙産業だったのでしょうか。
さて、時価総額が8兆円の企業となったウーバーの夢は何でしょうか。
このまま、配車サービス大手で終わるのか。
それとも、アマゾンのように、本屋から宇宙まで拡大するのか。
それにしても、時価総額が8兆円となると、
日本の株式市場では、上位5社に入るのでしょうか。
ここで、「世界は大きい」と思ってはダメです。
日本のバブル経済時代は、世界の時価総額ランキングにおいて、
大半が日本企業で占められていたのです。
そんなに日本企業は縮小したのか。
いや違います。
この30年間で、世界経済は、大きく成長しました。
世界では、新しい産業が次から次へと誕生したのです。
しかし、日本経済は、現状維持でした。
イコライザー2 2019 3 31
「産業のIT化」
たとえば、あなたは自宅で自営業を営んでいるが、
それだけでは食べていけないので、何か副業をしたい。
あなたは、車の運転が好きなので、
できれば、車を使って副業をしたい。
一方、車を使う事業を考えている事業家がいるとします。
たとえば、タクシー会社を始めたいと考えると、どうなるか。
まず、タクシーに使う車両を多数揃える必要があります。
次に、多数のタクシーを置いておく車両基地が必要です。
優秀なタクシードライバーを多数雇う必要があります。
さらに大きな事務所も必要かもしれません。
これでは、初期投資が大きすぎて、
タクシー業界に新規参入することが難しそうです。
ところが、スマートフォンに、
「配車アプリ」ができたら、どうなるか。
車を使って副業したい人と事業家を結びつけることができます。
車のカーナビの上にスマートフォンを設置して、
そのスマートフォンの画面に、
「次は、どこへ客を迎えに行くか」と表示させればよいのです。
たとえば、病院に見舞客を迎えに行って、
アパートへ送っていく。
このミッションが終了したら、アプリに報酬が表示される。
今度は、アプリに「図書館の玄関で客が待っている」と表示されれば、
図書館まで迎えに行って、客から「スーパーで降ろしてほしい」と言われる。
スーパーに客を送り届ければ、ミッションは終了で、
報酬がアプリに表示される。
このように、タクシー会社をスマホのアプリにすることで、
車を使って、ちょっと副業をしたいという個人と、
タクシー事業を始めたい事業家をマッチングすることができます。
「イコライザー2」という映画は、
人気俳優のデンゼル・ワシントンが活躍する映画ですが、
日本では、主人公がタクシードライバーとなって活躍すると表記されていますが、
これは、誤訳であり、
本当は、配車サービス会社である「リフト」の登録運転手です。
リフトは、「ウーバー」と同じようなライドシェアサービスの会社です。
20世紀のヒーローは、スーパーマンのように、
普段は新聞記者をしていました。
21世紀のヒーローは、配車サービス会社の登録運転手だった。
ヒーローも転職で忙しい時代となりました。
(注)
日本では、自家用車を利用するタクシー業務は、
法律により規制されています。